09/18/2006

マジアカは何故パソコンに移植できないか

「マジアカ(QMA)」といえばネットワークを通じて全国のプレイヤと対戦できるコナミのアーケードクイズゲーム「クイズマジックアカデミー」のこと。

僕がこれで初めて遊んだときは(といってもまだ一回しか遊んだことないんだけど)、「どうしてこれがパソコンに移植されないのか! されれば僕もエントリするかもしれないのに!」と思ったわけ。

というのも、ゲームシステムはアーケードより寧ろオンラインゲームに適しているように思えたんですね。通信対戦がメインの遊び方であること、自分のキャラクタをつくって育てる(勉強する)という形式、それからいわゆる「オタク文化」との微妙な関連性(キャラクタデザインや一部のクイズの内容)も。

パソコンに移植すれば通信速度もより速くなるかもしれないし、対戦相手とのチャットなんかも同時進行で行えるだろうし(これは多分かなり楽しいと思う)、プレイヤ人口も増えるだろうし。そもそもアーケード版も(Wikipediaによれば)Windows XPで動いているらしいのだから技術的には全然不可能じゃないはずなのだ。

でもパソコンに移植したとしたら失われてしまうであろう要素も幾つかあって、その一つが何を隠そう「触って遊ぶ快感」だと思う。いや別にいかがわしい意味じゃなくて(笑)。

マジアカのクライアント(操作端末)にはタッチパネル――銀行のキャッシュディスペンサのような――がついていて、プレイヤはこれに直接触れて操作するわけだけど、ゲームの内容がこれを最大限活かしたものになってるわけ。

例えばいくつもある出題形式のなかには、バラバラに並んでいる3〜8文字を並べ替えて答えにする「並べ替えクイズ」というのがあって、ここでは2つの文字に連続で触れるとその2つがジャキーンと入れ替わる。4つの答えの順番をあてる「順番当てクイズ」では正しい順番に選択肢に触れていく。普通の「四択クイズ」でも解答はキーボードやボタンで選択するのではなくて、画面に直接触れる。

また、クイズ以外の部分でも工夫がしてあって、例えば画面上のマスコット(キャラクタ)はタッチに反応して動いたりするなど、細かいギミックが設定されている。

言葉ではうまく伝わらないかもしれないけど、この実際に「触って遊ぶ」というのは結構気持ちがイイ(amusing)もので、無意識的にここに魅かれてるプレイヤも多いんじゃないかって気がします。そしてこの機構はパソコンで再現するのは現段階では結構不可能に近いと思う(専用タッチパネルなんかコスト高すぎでつくれないだろうし)。

じゃあどうしてタッチパネルで遊ぶのは気持ちがイイのか? 専門的な答えは心理学者に聞いてみるしかないわけだけど、僕の素人的考えでは触覚の「直接性」が結構関わってると思う。

パソコンのキーボードやマウスなどの入力デバイスを使うと、当たり前だけどどうしても「何かを操作している」という感覚が強い。ダブルクリックして”フォルダ”を開くのと、実物のフォルダを手で開くのとは大違いでしょ。でもタッチパネルを使っている時は操作感はとても直接的で、積み木で遊んでいるのと比較できるくらいになると思う。それが小気味よいプレイに貢献しているように思える。

それから、複数の感覚が相互に対応する(correspond)のがおもしろい、というのもある。例えば問題の選択肢にタッチすると「シャランッ」なんて効果音が鳴って、同時にその部分の色が反転したりするわけで、ここでは触覚を使って入力した情報が聴覚と視覚に反映されてるわけ。もちろん無意識レヴェルでだけどこういうところにそれなり快感が発生している可能性は高い。

さらには右脳と左脳の間の交信を活性化されるということもある。クイズは基本的に知識を試しているわけだから、考えている時は左脳が活性化されているわけ。だけど、実際に答えを入力する時は画面を空間的に把握して指で特定の場所に触れなきゃいけないから、今度は右脳が活性化される。こうしてクイズに答えていくうちに脳梁(右脳と左脳の交信をつかさどる神経の束)が程よく刺激されて快感を呼び起こす、と。

乳児〜幼児むけのおもちゃに立方体の側面に様々な形の穴(丸、四角、星形等)が開いていて、正しい形のブロックをそこから入れて遊ぶ、みたいなやつがあるけど、マジアカは感覚的にはこんなものにも割と近いところがあるんじゃないかなぁって。そしてこういう「身体的直感性」みたいなのを再現するのは、今の家庭用パソコンのシステムではなかなか難しいんじゃないか、って思ってます。

posted by Yuuki at 00:03 | Comment(1) | TrackBack(0) | On Technology
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追記(2/21/2008):
2008年2月16日のAOUアミューズメント・エキスポにおいて、『クイズマジックアカデミー』シリーズのニンテンドーDSへの移植が発表されました。この記事で言及されている「触って遊ぶ快感」も、タッチペン操作によって再現されるものと思われます。

ファミ通.comでイヴェントのレポート記事が見れます:
http://www.famitsu.com/game/news/1213654_1124.html
Posted by Yuuki at 02/21/2008 18:49
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