先のフランス大統領選挙の決選投票の投票率83・97%に比べると、日本の参議院議員選挙の投票率はかなり低いです(今までの最高は1980年の75・54%、前回の2004年は56・57%)。
投票率が低いということは、有権者の政治参加の意識が低いということを意味しますが、日本人の政治的無関心の背景には、「誰に投票しても同じこと」、「選挙では世の中は変わらない」、「政治は自分には関係ない」などといった一種の無力感があるとしばしば指摘されます。
(実際には「面倒くさい」が投票に行かない人の理由の第一位のようですが、なぜ投票に行くのが面倒くさいかといえば、それは投票してもどうせ無駄であるという考えがあるからでしょう。)
さて、果たしてこういった無力感が正当なものであるかどうか、僕にはわかりません。ただ、自分の一票が実感できる社会的変化をもたらさないからといって、それが投票に行かない正当な理由になるとは、僕は思いません。
まず、「選挙では世の中は変わらない」と言う人には、それでは選挙以外にどうやって世の中が変わり得るのか、と反問したくなります。神様の介入によってか、暴力による革命によってか…いずれにせよ、現代の社会においては、民主主義的な選挙が最も現実的・合理的・平等な世の中の変え方であると思われます。
(もちろん「選挙では世の中は変わらない」と言う人の中には「誰がどうあがいたって世の中は変わらないのだ」と言う決定論的厭世主義者もいるでしょうが、そういう人はここでは無視します。)
次に、「誰に投票しても結局同じことだ」と言う人がいますが、これがもしも「誰の政策も同じように不十分である」とか「どの立候補者の主張も正しくない」という意味であるならば、その人は自分が立候補するかもしくは白紙投票をすべきであって、選挙権を放棄するべきではないはずです。
選挙を棄権するということは「誰が当選しても構いませんよ」と言うことと事実上同じで、これは「適正な立候補者がいない」という主張とは天と地ほどの差があります。
最後に、「政治は自分には関係ない」という主張ですが、これは非常にいかがわしいものです。というのも、社会の中で生きるということは、すでに政治に深く関わって生きるということだからです。
言ってみれば、人間が社会的動物であるかぎりにおいて、生活というものは既に「政治的」なのです。("Politics"という言葉の語源であるギリシャ語の"politikos"という言葉には「市民の」とか「都市の」といった意味があります)。
だから、タバコを一箱買うこと、学校をさぼること、好きな人と一緒に暮らすこと、あるいは家にひきこもること、また自殺することでさえも、政治的な問題と無関係ではないのです。政治は自分には関係ない、と言うことはつまり、自分は自分の人生に興味がないと言うのとほとんど同じことです(もちろんそういう人もたくさんいるでしょう)。
というわけで、理性的に考えると、投票に行かない正当な理由があるのは、虎視眈々と政府転覆を狙う無政府主義者(アナーキスト)か、人間的な社会生活に一縷(る)の希望も見いださない厭世主義者だけである、という結論になります。
もちろん、「倦怠」というのは理性の大いなる敵であって、その問題にはここでは触れることはできませんが…。でもまあ僕くらい倦怠の病に冒されていれば、他にすることもないので投票に行くくらいどうってことなくなるものだと思います。
* * *
さて、投票に行くことを決めたとして、それでは誰に投票すればいいかということが問題になります。テレビの(バラエティ)ニュース番組の言うことはどうにもうさんくさいし、各党のコマーシャルも(今回は特に)ださくてしかも似たり寄ったりの内容に見えます。そもそも参議院ってどういう位置づけだったっけ?という人も(僕自身含め)いるでしょう。
というわけで参考サイトをいくつか。まず総務省・中央選挙管理会による“公式”ページですが、さすがお役所仕事だけあって、上辺だけさわやかで情報量はそれほどでもなく、しかも肝心な文書はPDFファイルでげんなりです。
選挙関連の情報収集とお勉強は共同通信のページかYahoo!の特集ページがよさそうです。じっくり各党の主張を読み比べてもよし、関心のある争点についてだけ読んでみてもよし。ところで、マニフェストのようなものを読むときは、そこに“何が書かれていないか”を考えるのが重要なので、これは中学生くらいの読解力向上にはうってつけかと思われます。
具体的な設問にアンケート形式で答えるだけで自分の政治と経済に関する考え方のポジション(保守派とかリベラルとか)を知ることができるページもいくつかあります。こことか。(僕はYahoo!のものをやってみましたが、案の定すべての問題に関して答えは「どちらでもない」で、結果は座標のど真ん中でした。僕は政治にはまったく無関心なのです。)
読売や朝日など報道各社の特別ページも参考になるでしょう。テレビ朝日の選挙ステーションのページからは、市川寛子アナの選挙クイズの動画が視聴できます。内容はたいしたことないですけど、僕は市川アナが好きなので紹介しときます(笑)。
07/27/2007
Comments to this post
Post a comment
TrackBack URL for this post
http://blog.seesaa.jp/tb/49392642
Trackbacks to this post
http://blog.seesaa.jp/tb/49392642
Trackbacks to this post