先々週のことですが、1月19日日本公開のティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の話題作『スウィーニー・トッド:フリート街の悪魔の理髪師』の試写会に行ってきました。チケットをくれたF氏に感謝。
急な誘いだったので逆に先入観や変な期待などなく鑑賞できました。結論からいうと、かなりおもしろかったです。僕は『シザー・ハンド』も結構好きだし、『チャーリーとチョコレート工場』も楽しく観ましたが、バートン/デップのコンビがミュージカルを元にした作品に取り組んだ、というのがおもしろい。
ミュージカルが原作、といっても例えば『シカゴ』などとは一線を画していて、ステージという概念が抑えられている代わりに、映画でしかできない映像表現がティム・バートンにしかできないスタイルで存分に味わえます。
といってもミュージカルの本質はしっかりと保たれていて、本作では音楽とダンスとが物語と有機的に結合しています。同じメロディーや同じ歌詞がシーンや歌い手によって異なった意味合いになることとか、デュオやトリオの象徴的な掛け合いやハーモニー、アレンジの妙のなす絶妙な感情表現、あるいは音楽とダンスのリズムが突き動かすプロット…
映画音楽は大きくdiegeticなものとnon-diegeticなものに分けられます。前者は映画の世界の中で実際に聞こえている音で、後者は映画の世界の状況やキャラクタの感情などを効果的に表現するための音(いわゆるサウンドトラック)です。例えば、ジャズ喫茶のシーンで流れるジャズはdiegeticで、ジョーズが迫ってくる時のあの音楽はnon-diegeticです。
ところが、ミュージカルというジャンルを映画というメディアで実現しようとすると、diegetic/non-diegeticという区別が無意味になってしまいます。そこにこういった作品のおもしろさがあるのではないかと感じました。
プロット自体は割合単純で、結末が途中で読めてしまう人もいるかもしれませんが、それでもストーリーの“音楽的な”躍動感は充分に楽しめるはず。
ジョニー・デップは昔ロックバンドでギタリストをやっていたそうで、ミュージカル俳優のような声量はもちろん無いものの、その歌声は英語版のタグライン「Never forget. Never forgive(決して忘れるな。決して許すな)」を迫真の力をもって表現しています。
画面が全体的に少し暗いような気もしましたが、試写会の会場が映画館でなく普通のホールだったからかもしれません。あと、トビー役のEd Sandersはジョニー・デップに負けないカッコ良さです(ああいう子役がミュージカルで歌う曲はなぜかとても魅力的)。
誰でも割合気軽に観れる作品だと思いますが、一応R-15なので、特に恋人同士とかで観ればいいんじゃないかと。血がたくさん流れたり、“ちょいグロ”な場面も結構ありますが、それをスプラッタにすることなく見せるのがティム・バートンの巧さだと思います。
上映終了後は、ミートパイが食べたくなっていること間違いなし!?
01/17/2008
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