01/28/2008

スモーラ・イズ・ビューティフル

Inaugural Concert: The Chamber Orchestra of Charlottesville. Sat. Jan. 26, 2008. Old Cabell Hall, University of Virginia.

シャーロッツヴィル室内楽オーケストラの創設コンサートに行ってきました。演目は、まずモーツァルトの『交響曲第17番ト長調(K.129)』とコープランドの『クラリネット協奏曲』、休憩をはさんでプッチーニ(ドリュー編)の『菊』、そして最後にシューベルトの『交響曲第5番変ロ長調(D485)』でした。

僕のお目当てはシューベルトだったのですが、一曲目のモーツァルトが始まった直後から、オケの音のクリアさに驚かされました。各セクションどころか、メンバ一人一人の音が聞き取れてしまうような明瞭さ、それでいてアンサンブルはしっかりしていて、一本の樹の全体を見ているのだけど、一枚一枚の葉の揺らぎまで把握できる、というような印象でした。

まさに室内オーケストラのサイズと編成ならでは、といったサウンドクオリティで、僕のような耳の発達していないド素人でもオーケストレーションの妙が味わえる気がして良かったです。いつもはフルオーケストラを聴いているオールドカベルホールのステージも、本当はこの位の室内楽オーケストラに適しているのかもしれません。なるほど、これならモーツァルトあたりは是非ピリオド楽器で聴いてみたいものだ、と感じました。

コープランドのクラコンはリリカルな第一楽章が美しかった。小編成のストリングオーケストラ(とハープ)のバックグラウンドに、クラリネットの様々な音色が時に溶け込み、時に浮かび上がり…僕はクラリネットという楽器に特別な思い入れがあるのでどうしてもひいき目に見てしまうのですが、あんな綺麗な音が出る楽器ってないよなぁ、と酔いしれてました。

プッチーニの『菊』はもともとは弦楽四重奏曲としてつくられて、その後プッチーニ本人のオペラ『マノン・レスコー』に使われ、さらにその後弦楽オーケストラのために編曲された作品。初めて聴きましたが、僕の印象では少し甘ったるすぎるというか、僕の好きな「メランコリィ」とはちょっと違うかな、という感じ。

最後のシューベルトは期待通りのタイトな演奏。美しい喜びが溢れ来る命を軽やかに歌うような、春の訪れのような作品です(作曲されたのは秋ですが)。シューベルトの生まれながらの歌心、少しシャイな親密さ、そして楽曲全体を通じて現れるアマデウスの優しい眼差し。特にフルートが美味しいフレーズをばんばん決めていて、あれは演奏していて楽しいだろうなぁ、と思いました。録音ではヴァントの演奏をよく聴くのですが、『未完成』や『ザ・グレート』とは違ってこの曲はこのくらい小さなオーケストラで聴くのが一番適しているのかもしれません。

2月の初めには大学/シャーロッツヴィルオケの定演が、そしてその後は去年から楽しみにしていたピョートル・アンデルジェフスキのリサイタルがあります。良い席が取れればいいけど…。

posted by Yuuki at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | On Art
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